d_591429 キングオブファッカーズ ○知火舞 火影に咲く秘密の花

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あの人のことを、心から想っている。

ずっと――ずっと、彼だけを。

けれど、夜の帳が降りると、私は誰かの腕の中にいた。

「……そんな目で見ないでよ」
絹のような黒髪が肩に流れ、着崩した浴衣がわずかに胸元を緩める。
彼女――舞(まいか)は、まるで不知火舞のように情熱と色気を身に纏っていた。
強く、美しく、そして、誰よりも心が繊細だった。

目の前の男の指先が、彼女の太腿をゆっくりと撫でる。

感じてしまう自分に、嫌悪すら覚える。

(あの人が好きなのに――アンディのような、あの人が)
思い出せば、彼の真面目な眼差し、寡黙な優しさ、そして誰にもぶれない強さ。
舞香はその全てに憧れていた。

けれど、愛されていないという確信。

彼の中に自分が‘女’として存在しない、そんな予感が心を乱していった。

「やめて……」
そう言葉にしても、男の唇が鎖骨に触れた瞬間、彼女の身体は小さく震えた。

「んっ……あ……だめ……っ」
喘ぐ声は、裏切りの証。

だがその奥には、触れられることでしか満たせない虚しさがあった。

涙が滲む。

これは身体の悦びなんかじゃない。
ただ、誰かに「欲しい」と言ってもらいたかった。

(ごめんなさい……。
あなたじゃなきゃダメなのに……)
その夜、舞はまるで火影のように揺れながら、秘めた想いを心に隠して快楽の波に身を委ねていった。
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