d_088087 育む『罰』
    
    
    
      その者は育てたかった。
 
例えるなら、砂漠に緑を育て、増やし、豊かにしたかった。
 
しかし、蒔いても撒いても、芽すらも出ない。
砂漠の砂漠たる所以を見せ付けられるばかりだった。
 
そんな中、たった一つだけ、大きく立派な果実が育った。
 
大切にしたかった。
 
だが、大切なものほど、奪い去ろうとする者が現れる。
 
彼は愛を与えたかった。
でも、時代が、人が、それを許さなかった。
 
だから、彼は代わりに罰を与えたのだ。
自ら罪を犯しながら。
 
そして、二人で育んでいったのだ。
 
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        情報
        
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            品番 d_088087 
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            ページ数 123 
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            発売日 2015.11.23